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2024/01/04 16:06頃、ビーナスベルトと十勝岳連峰 中富良野町の路地裏にて |
走行距離は概ね2000km、冬の北海道旅にしてはなかなか良く走ったと思います。
冬の北海道は本当に素敵な景色がたくさんあります。その反面「試される大地」とネットミームになるぐらい厳しい土地であることも確か。そんな試される大地に愛車で凸するに当たって準備したものや、服装、その他旅のプランニングの考え方などをこの投稿ではまとめます。
トピックは
1. 愛車を北海道に持っていくメリットとデメリット
2. AWDは絶対必要か?
3. 車に積んでいった装備
4. 服装
5. 旅の計画の考え方
の5点を説明します。
1. 愛車を北海道に持っていくメリットとデメリット
普通はお住いの地域最寄りの空港から新千歳に飛行機で行って、レンタカー借りるなり公共交通機関で旅をするのが一般的と思いますが、わざわざ北海道に高い船代と長い移動時間を要してまで車を持ち運ぶ意味は?と言いますと
結論から言うと、車の運転が大好き、または車中泊で旅したい人はアリ。それ以外の人はレンタカーか公共交通機関移動が良いです。
メリット
◎冬の北海道を愛車とともに旅できる、という特別な体験
◎シビアな路面コンディションを、使い勝手がよくわかっている車で走る安全性
◎車中泊前提の場合は宿代のコスト削減
◯かさばる冬の荷物もお土産も、ドアtoドアで気にせず持っていける
もちろんこの前提には
・車にはスタッドレスタイヤを装備している
・雪道を運転した経験が多少でもある
という条件が含まれます。雪道をほとんど運転したことがない場合はレンタカー移動も避けるべきです。雪道アイスバーンにおけるアクセルやブレーキ、ハンドルの微妙な操作はやはりテクノロジーだけでは解決できない人のスキルでカバーする部分もあります。スタッドレス無しは論外としてもオールシーズンタイヤも冬の北海道の道では凍結路面に対応できずお薦めはできません。
あまり運転に自身がないなぁ、という普段お住いの地域が雪国でない方は厳寒期の長野県北部(白馬や、後は志賀高原、ビーナスライン)あたりで練習するとよいかもしれません。路面状況がそこそこ似ていますので。
デメリット
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2023/12/30 道東道上浦幌PA にて 塩カリで漬物状態真っ白になった愛車😭 |
× 短期間とはいえ、塩害によるボディやコーティングへの負担が大きい
× 船の移動時間で片道1日は予定が潰れる(青森県在住で八戸港や青森港から出る場合は除く)
△ 天候、路面コンディションの影響で事故のリスクがめちゃくちゃ上がる
冬の北海道の道路を初めて走って気がついたことは、尋常じゃない凍結防止剤の散布量。高速道路は特に激しめで2、3時間走っただけで黒い車が真っ白になりエンジンルーム内もすごいことになりました。
よく「中古車を買う際に北海道出身の車は避けるべき」と耳にしますがその理由がここにあります。ボディー、下回りの錆に対する負担が大きすぎるのが一番のデメリットと思いました。現にサイドシルやフェンダーが錆びて穴の空いた車がちょいちょい北海道は走っていましたし。
そして移動時間はやはり旅のスケジュールを考慮する上で非常に負担が大きい要素と思いました。往復で2日、旅のスケジュールが何もしない移動時間だけで潰れてしまう。更に雪道による移動時間の制限を考慮するとかなりスケジュールの圧迫になるんですよね。冬の北海道、16時には真っ暗になるので1日の活動時間が遥かに短くなるのですよ?
これが飛行機ですと数時間で済み、レンタカー借りれば愛車も無傷ですむわけですので、この2点が一番のデメリットと考えます。
天候に対するリスクは、正直旅行者のプランニングでリスク低減策があるのでそこまでデメリットにはならないと思います。
2. AWDは絶対必要か?
更にいうと最低地上高は15cm以上あったほうが良いと考えます。
AWDはなくても冬の北海道路を走ることはできます。現に北海道、普通にFFのミニバンや軽四もたくさん走っています。流石に86などFR系スポーツは見ませんでしたがw
とりあえずですね、運転中の不安要素、リスクを低減するという意味ではリスク低減策を取らない理由はないと考えます。もちろん無茶な運転はしないとい、という前提はありますよ。いくら車の電子制御が年々進歩しているとはいえ物理限界(タイヤと地面の摩擦)以上には車は曲がれませんし止まれないんですよ。これは駆動方式に限った話ではないですが。
北海道の道路は本当にいろんな路面のオンパレードです。乾燥した氷ガチガチのアイスバーン、サラサラのパウダースノーが深めに積もった積雪路、ブラックアイスバーンに夏と同様のアスファルト、溶けかかったビチャビチャのアイスバーンなど。👆のようなきれいな路面もあれば、旭川の街中なんかは健康足つぼマッサージの板みたいなボッコボコの路面だったり。「単に貴様の運転スキル無いだけじゃん」なんて言う人もいるかも知れませんが人のスキルとテクノロジーをあわせてより良い方向に持っていけるならそれがベストと考えます。
それらを踏まえると個人的には次に冬の北海道を車で旅するなら最新のBLIZZAK履いたアウトランダーPHEVかレガシィアウトバックで旅したい気分です😁
3. 車に積んでいった装備
こちらは北海道のため、というよりも雪国生活のスタンダードな装備となりますが
左から
・脱出用のラバー製ラダー
・雪かきスコップ(本当は四角いスコップがいいですよ)
・雪かき用手袋(ショーワグローブの防寒手レムスが安くて高性能でおすすめ👍)
・窓拭き用霧吹き&雑巾
・LED懐中電灯(本当はヘッドライトのほうが作業の効率は良い)
・雪かきブラシ
これ以外には車にはガラスの氷を剥がすスクレイパーを積んでいます。1日走った車を一晩駐車していると溶けた雪が翌朝フロントガラスに凍りついているので、暖気して溶かすよりはゲシゲシ削り落としたほうが手っ取り早いです。
あとは、北海道向け固有の装備としてはウオッシャー液をほぼ原液レベルに濃度調整しておきます。
冬の北海道路、凍結防止剤をガンガンに撒いているためフロントガラス・リアガラスへの泥混じりの水はねがすごいので必然とウオッシャーの使用頻度がめちゃくちゃ増えます。液が希釈状態で液が凍って使えないので視界確保のためにウオッシャー液の濃度調整は事前にしておくと安心です。
個人的にはワイパーはスノーブレードにしなくてもいいかな、と思います。あったほうが安心とは思いますが北海道の雪ってすごい綺麗なパウダースノーなのでワイパーブレードがノーマルでも別に視界は普通に確保でき、スノーブレードの必要性はあまり感じませんでした。
続いて車中泊用の装備
左から
・メインで使うシュラフ(Colemanの-18℃使用限界化繊シュラフ)
・予備シュラフ(ノーブランド、-5℃使用限界の化繊シュラフであまりに寒いときに👆に重ねて使う用)
・マット(WAQのウレタン&インフレータブルハイブリット)
・ウレタンフォームマット(マットの下に敷く)
車中泊の旅でしたので寒さ対策は入念に用意しました。杜撰ですと凍死に直結しますしね😁
エンジンを掛けなくても一晩快適に寝ることができること。そのための道具です。
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道の駅占冠で車中泊した朝、このときはシュラフの内側にシュラフを重ねて寝ました。車内はほぼ-9℃でしたが夜は暖かく快適に寝れました(着替えは超寒かったですがw) |
旅の道中、アイドリングして一晩明かしている方が結構たくさんいらっしゃいましたが、それはエコでもないですしマナー違反だと考えます。
4. 服装
今回のメインはこんな感じの服装でした
服装に無頓着なのがよくわかりますよねw
ユニクロの極暖が神すぎて・・・😁
ポイントはレイヤリング、外から冷気をシャットアウトしつつ体温を逃さない工夫と、肌の露出は極限まで抑えること。ちなみにグローブは指空きですが、カバー付いてるので完全に覆うこともできます。
襟元、手首、上着の裾、パンツの裾、つまりは「首」と名のつく部分もきっちり押さえておくと良いです。冷気の多くはここから入ってきて体温を逃しやすいので。この格好で-15℃の帯広の朝も普通に快適に散歩できました。ただアウターはフリースジャケットよりは防風透湿なソフトシェルのほうがより暖かいと思います。フリースは風が吹くと少し風が通る。
ユニクロのヒートテック(極暖)はとても強力に体を温めてくれました。靴下(ロングソックス)、スパッツ、インナー。ただし注意があってヒートテックは汗冷えしやすいので日常生活的な活動時限定です。ヒートテックは発汗性能がとても低いので、運動を伴うアクティビティを行う場合は、例えばmont-bellののジオラインや、ミズノのブレスサーモなど、必ず発汗性能に優れた発熱インナー素材を着用する必要があります。ヒートテックだと汗冷えして最悪低体温症からの凍死一直線です。
帽子、グローブ、ネックウォーマー、スノーブーツは暖かいものを必ず選びましょう。特に足元、スニーカーや革靴ですと足の裏からめっちゃ冷えます。
ちなみに今回の旅では糠平湖のスノーハイクとタウシュベツ川橋梁見学を個人で行いましたのでそれ用の装備、つまりは-10℃前後の中数時間外で活動できる低山雪山用の装備も持ってきていました。このあたりは旅の内容に応じて準備しましょう。
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流石にここまでガチ武装しなくても良かったかもしれないw 2024/01/02糠平湖にて |
5. 旅の計画の考え方
結論から言うと
移動距離、時間
・移動距離は運転に自信がないのでしたら1日100km以内とする
・高速道路併用で頑張っても1日300kmが限界、小樽から稚内まで1日で行くのはかなり無謀
地理
・北海道の各地域で雪のつもり方が全然違うので特製を理解したうえで計画立てる
天候とビッグデータの活用
・週間天気予報だけではなく、1日の24時間天気も重視する
・道路ライブカメラ、Google Mapの交通状況も考慮して走るルートは考える
ということをポイントに挙げておきます。
移動距離は夏ほど距離は伸ばせません。
いくら北海道の路とはいえ、冬は平均移動速度がものすごく落ちます。去年の秋に来たときは小樽に午前4時半に到着後、オロロンラインを抜けて400km走ってその日の夕方には稚内まで行くことができましたが冬はおそらく無理か、めっちゃしんどい道のりでしょう。
今回の旅では1日350km走った日もありましたが「たまたま走れた」だけだと思っています。計画段階ではここまで距離を伸ばせるとは思っていませんでした。
もちろん写真のような道をラリーカー如く雪煙巻き上げながら爆走するシーンもあるかもしれませんが、それでも夏ほどスピード出すのは個人的には気が引けました。更に天候によっては大雪やホワイトアウトなどの要素で更に移動時間を削られることも念頭に置く必要があります。また、北海道は日没が超早くて1月は16時にはもう真っ暗です。限られた移動時間で観光、移動をこなすとなると移動にかける時間は1日3~4時間が限度と考えておくほうが良いと考えます。
ちなみに、運転自体が目的の方はこの通りではありません😁
夜の冬の北海道路、個人的には結構走りやすかったw
鹿さんには要注意ですが
続いて地理
北海道は東と西、更にいうと日高山脈を境に積雪量が全く異なりますので、地理特性を考慮して旅の計画を立てます。
札幌テレビ放送さんのサイトから引用した2024/01/20時点の積雪量。
・日本海側(小樽~留萌)と日高山脈西側の内陸(旭川~岩見沢)👉めっちゃ雪多い
・太平洋側(根室~釧路)と日高山脈東側の内陸(帯広)👉ほとんど雪がない
・オホーツク海側(紋別~網走)👉ちょっとだけ雪ある
・道南(函館)👉ほとんど雪が無い
積雪量を移動の障害要素・リスクとして考えると日本海側は避ける理由になるでしょう。特に車高の低い車は走行困難になる、または下回りをヒットしたりする可能性が格段に高まりますし、市街地では道路が凄まじくボッコボコになっていて運転中涙目になる、ということもあります。
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2024/01/03 旭川市内にて |
こちら、旭川市内を走っていた時の写真ですが道路が洗濯板でした。洗濯板というか足つぼマッサージ板?洗濯板だけならまだしもロードヒーティングで時折いきなりアスファルトが露出して5cmぐらいの段差がドカンと出現したり、交差点は凍った轍の山が中央にできてこれまた慎重に通過しないといけなかったり、下手なダートよりも遥かにオフロードで運転していて生きた心地がしない道でした。積雪量の多い地域はこのような道が高頻度で出現する可能性を考えると、避けるべき・・・と考えます。
スキーやボードといったスノーアクティビティを行う人は、遠慮なく豪雪地帯に凸しましょう😁
最後に天気とビックデータの活用
週間天気予報で大まかな状況を把握し、その時期に目的地に行っても安全か、立ち往生に出くわす可能性は無いか、景色は期待できるかなどなどを把握します。それでまずは大まかな旅のルートを立てることができるでしょう。
では24時間天気予報はどのような目的で?というと路面状況を推定するのに役立ちます。
tenki.jpから引用した帯広市の今日の24時間予報。最高気温が-5℃と冷えていますね。ポイントは最高気温が0℃付近、またはそれ以上の時間帯が有るか、無いか。
最高気温が0℃付近、またはそれ以上の時間帯が有る👉アイスバーンに水が浮いて滑りやすいコンデションになる可能性がある
最高気温が0℃付近、またはそれ以上の時間帯が無い👉多分キンキンに凍ったアイスバーンでそこそこ走りやすい路面
ということが推定できます。これは1日の移動距離の推定する際に使える情報です。
さらにGoogle Mapの交通状況を組み合わせてみるとですね当日の目的地までの移動時間を強力に推定することができるわけです。ちなみにGoogleマップのナビは積雪状況全く考慮してくれないので鵜呑み走るとぎゃああああとなることもあります。
こちら2024/01/20 13:56頃の難所&事故多発地帯で有名な日勝峠の交通状況なのですが交通状況はグリーンです。この状態ですとおそらく安心してここを通過することができますね。
ステータスの考え方は以下の通り
・グリーンがずっと続く 👉 安定して交通トラフィクが流れているから走っても問題なし
・イエローがずっと続く 👉 移動速度落ちているから、スピードが落ちる何らかのリスクが有る(積雪、濃霧など?)
・レッドが続く 👉 全然車が動いていないやばい状況(事故、天候など?)
・情報無し 👉 誰も走っていない、ということだけはわかるので主要幹線道路以外は基本は避けた方がいい
この情報に道路ライブカメラを組み合わせると、更に具体的になりますね。これらは朝の出発前、朝ごはん食べながらボーッと見ているだけでもドライバーのインプットとしては十分な情報になります。
以上が旅の事前準備から情報、考え方のまとめになります。
個人的には車の性能に助けられつつ、文明の利器と情報を駆使してなんとか無事に北海道の冬を愛車で駆け抜けることができたと思っています😇
これから冬の北海道に車で行こうとされている方の参考になれば、ということでこの記事を投稿します。
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